気温が下がってくると交感神経が活発になり、心臓の仕事量が増えるため心疾患のリスクが増す。特に心筋梗塞は、発症後80%の患者が24時間以内に亡くなると言われている。東京国際クリニック院長の高橋通医師が語る。
「発症後、直ちに適切な措置を行なうことは当然必要ですが、それよりもまず心筋梗塞の前段階の疾患といえる狭心症の有無を事前に把握し、発作の“芽”を摘んでおくことが大切です」
狭心症の最もわかりやすい症状は、「急な運動」によって生じる。
「坂道や階段を駆け上がったり、速歩きの直後に、胸が締めつけられるような症状が5~15分ほど続いたりしたら、狭心症の疑いが強いです」(高橋医師)
突然死をもたらす心筋梗塞の前段階となる狭心症に罹患しているかどうかは、「心臓MRI」でチェックできる。
「心臓の拍動周期に合わせて、磁気の力を使って撮影する検査です。30分ほど横になってじっとしているだけで検査が終わります。CTと異なり、放射線による被ばくの心配がありません」(高橋医師)
身体への負荷は少ないうえに、検査の効果は抜群だという。