2000年代に堀江貴文氏(46才)、三木谷浩史氏(53才)、藤田晋氏(45才)らとともに「ヒルズ族」として脚光を浴びた村上世彰氏(59才)。
「モノ言う株主」として活躍したが、2006年6月にニッポン放送株をめぐるインサイダー取引容疑で逮捕された。
大企業の株を買い占め、株価が上昇した途端に売り抜けて莫大な利益を得る手法は、当時「ハゲタカ」と批判されたが、本人はまるで気にしなかった。逮捕直前の会見で「金儲けは悪いことですか!」と叫んだシーンは語り草だ。
そんな村上氏が手塩にかけて育てたのが娘の絢氏。
「慶應義塾大学を卒業後、外資系証券会社を経て世彰氏の仕事を手伝うようになりました。絢氏は父親から投資法や株の知識を叩き込まれたようで、学生時代から『父を尊敬している』と話していました。帝王学を学んだ絢氏の今後の動向に市場は注目しています」(マーケット関係者)
ちなみに現在、村上氏はシンガポールを拠点としている。こうした海外移住も新富裕層によく見られるという。
ジャーナリストの大西康之さんは言う。
「日本は相続税が高く、せっかく稼いでも3代続くとお金がなくなるといわれます。シンガポールは税金が安いため、日本のお金持ちが移住するケースが多い」
これも大金持ちの行動学だ。言動に賛否両論はあれど、大金持ちが人々に夢を与える存在であることは確か。
富裕層に詳しいLUFTメディアコミュニケーション取締役の小林昇太郎さんが話す。
「これまで庶民はコツコツとお金を貯めるしかなかったけど、今はITを武器にすれば思いもよらぬ方法で富裕層になれます。おかげで最近は若い世代が起業して成功する例も増えている。今後、若者を中心にますますプチ富裕層が増えていくのではないでしょうか」
【Profile】
村上世彰(むらかみ・よしあき)1959年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。旧通産省を経て1999年「M&Aコンサルティング(村上ファンド)」を設立。株主総会などで経営陣を批判することなどから、「モノ言う株主」として頭角を現した。2006年ニッポン放送株の取引に関して、証券取引法違反の容疑を認め、東京地検特捜部の国策捜査により逮捕される。2011年6月、執行猶予付き有罪判決が確定した。現在はシンガポールにて投資家として活躍。妻との間に5人の子供を持つ。趣味はゴルフ、釣り、家庭菜園。
※女性セブン2018年11月15日号