芸能

サンド富澤、『大恋愛』での「自然体すぎる」演技に高評価

『大恋愛』での演技が好評なサンドウィッチマン・富澤たけし

 戸田恵梨香(30才)主演で話題のドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)。このドラマで元小説家・間宮真司(ムロツヨシ・42才)の先輩役として出演している、サンドウィッチマン・富澤たけし(44才)の演技が話題になっている。富澤は今、ドラマに引っ張りだこ。今年放送されたドラマでは『精霊の守り人 最終章』(NHK)、『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)、『大恋愛』の3つに出演。過去には『カルテット』(TBS系)、『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(テレビ東京系)などの話題作にも出演しており、主役級ではないがひそかに俳優としての需要が高い。なぜ芸人の富澤がドラマで求められるのか。お笑い評論家のラリー遠田さんが分析する。

 * * *
 起用の理由のひとつには、サンドウィッチマンの注目度の高さを制作サイドが期待して、という側面はあるでしょう。雑誌『日経エンタテインメント!』が毎年行っている『好きな芸人調査』で、14回1位を獲得していた明石家さんまさんを抑えて、今年はサンドウィッチマンが1位に輝きました。今、最も勢いのあるお笑い芸人の1人と言えます。

 しかし、それだけが理由ではもちろんありません。富澤さんの演技力が評価されているのは間違いありません。『大恋愛』で富澤さんは、真司が働く引っ越し会社の先輩で、真司のよき相談相手です。そして予言めいた事も言う、頼りがいがありながら、おかし味のある役柄を演じています。主人公がだんだん記憶をなくしていくというストーリーで、シリアスになりがちなところで、富澤さんが登場することによって場が和む効果を生んでいます。

 4話では、戸田さん、ムロさん、富澤さんの3人が会話するシーンがありますが、まるでプライベートの会話を覗いているかのようでした。それは、漫才やコントの演技と同じように、富澤さんの芝居が自然だからです。制作側が富澤さんを選ぶ理由は、演技力のほかにもあります。サンドウィッチマンは2人とも人柄のよさが知られています。強面で怖そうだけど実は優しい、というキャラクターは富澤さんにぴったりで、『大恋愛』でもその魅力が発揮されています。

 そうしたキャラクターは過去の作品でも求められてきました。富澤さんの役どころは、『BG~身辺警護人~』ではちょっととぼけた飲食店の店員、『カルテット』では愛妻家のシェフなど、漫才やコントで見慣れた、等身大の役が多いような気がします。だから芝居の中でも自然体でいられるのでしょう。

 では、これが正反対の役だったら、どうでしょうか。最近役者としても頭角を現しているアンジャッシュの児嶋(一哉)さんや、もはや俳優業の方が多そうな板尾創路さんなどは、役柄によって演技が変化します。富澤さんの場合は、役者の仕事が増えてきたといってもまだ俳優としてのキャリアは浅いですし、大柄で強面の容姿なので、演じられる役柄は狭くなりますが、今までのイメージを覆すような役をやったら一躍、“俳優富澤たけし”が脚光を浴びるかもしれません。

 もちろん富澤さんは漫才・コントをベースに仕事をしているでしょうし、サンドウィッチマンは忙しいと思うので、今くらいのペースで今後も俳優業をやっていくと思いますが、新たな一面を見せてくれるようなチャレンジにも今後は期待したいですね。

関連記事

トピックス

「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン