国内

園遊会名場面、ドカベン関連で皇太子さまの見事なツッコミ

園遊会での名場面集(撮影/JMPA)

 平成という時代にふさわしい「国民と共に歩む皇室」を追い求められてきた天皇皇后両陛下にとって、園遊会は重要な行事だった──。

 天皇皇后両陛下の主催で、毎年春と秋の2度、赤坂御苑(東京・元赤坂にある赤坂御用地内の庭園)にて開催される「園遊会」。11月9日開催の園遊会には、約2100人が招かれる予定だ。来春の園遊会は、陛下の退位に伴って休止が決まっているので、今回が「平成最後」となる。平成30年間の園遊会を彩った、知られざる物語を振り返る。

◆場を和ませた皇太子さまの“ツッコミ”

 2015年秋の園遊会には『ドカベン』や『あぶさん』で知られる漫画家の水島新司さん(79才)が招待された。両陛下は招待客のことを経歴だけでなく人柄まで事前によく調べられ、適切な声かけをされることで知られる。

 そのときは、陛下が「(過去に)絵をいただきましたね」と、水島さんに“お礼”を伝えた。しかし、水島さんの絵は実は皇太子さま宛に献上されたものだったそうだ。

 それを覚えていらした皇太子さまが「私がいただいたんですよ」と“ツッコミ”を入れられた。そのおかげで周囲は笑顔になり、一気に場が和んだという。

◆「紀子さま待ち」を生む“牛歩戦術”

 近年の園遊会ではまず、両陛下が招待客と言葉を交わされ、続いて、おふたりと少し距離を置いた皇太子さまが、両陛下がお話しされなかったかたに声をかけるという“役割分担”がされてきた。後に秋篠宮家ほか皇族方が続かれ、追い抜かすことはないので、そのスピードは自然と両陛下のペースに合わせることになる。ただ、2017年秋に珍事が起きた。

「紀子さまは招待客一人ひとりの話にじっくりと耳を傾けられます。そのため、先を行っていた秋篠宮さまと数メートルも離れる場面がありました。後に続く皇族方も、紀子さまを追い抜くわけには行かず、牛歩戦術さながらの“紀子さま待ち”になるシーンがありました」(宮内庁関係者)

◆参議院議員「上奏騒動」で美智子さまのとっさの機転

 園遊会で両陛下と交わせるのは視線と言葉、そして心だけ。その不文律を破ろうとした人物がいる。2013年秋に招待された山本太郎参議院議員は、天皇陛下に挨拶をする際、自らの書いた手紙を突然差し出した。

「手紙には2011年3月の福島第一原発事故を受けての現状を訴えた内容が書かれていたそうです。上奏ともいえるこの非常識な行動は、大きな批判を受けました」(皇室記者)

 そのとき、美智子さまは陛下の左腕を後ろからそっと引かれた。それはまるで、“受け取ってはいけない”と伝えるかのようだった。

「天皇陛下がそうした手紙を受け取ること自体が、政治的な意味を持ってしまう危険性がありました。美智子さまはとっさに機転を利かせ、不測の事態を防ごうとされたのでしょう」(前出・皇室記者)

 どの瞬間にも美智子さまは目配り、気配りを欠かさない。

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン