グラビア写真界の第一人者、渡辺達生氏(69)が“人生最期の写真を笑顔で撮ろう”とのコンセプトで立ち上げた『寿影』プロジェクト。渡辺氏は、自然な笑顔を引き出すべく、撮影する人に「一品」を持ってきてもらって、それにまつわるエピソードを聞きながら撮影する。
プロレスラーの藤原喜明氏(69)が持ってきたのは、自ら描いた、亡き愛犬マックスの絵だった。
相好を崩して抱く絵は、9年前に16歳で天寿を全うして逝った、愛犬マックスの凛々しい姿。
「俺にべったりで寝るのも一緒だった可愛いヤツ。あの世に行ったら一番に抱きしめたい」
闘犬では最高傑作といわれるアメリカンピットブルテリア。師匠と慕う“プロレスの神様”カール・ゴッチが飼っていた犬種だったことで飼い始めた。
親分子分の絆で結ばれたゴッチもマックスも、今はいない。「俺もそろそろかな~」と冗談めかすが、プロレス人生46年、「いつ死んでもいいと思って闘ってきた。肘も膝も首も腰もボロボロだけど、観客の前では鬼となる。心臓が止まるまで続けるよ」と、気迫は衰え知らず。