推定患者数が約400万人で、40歳以上の20人に1人が罹患し、失明原因のトップである緑内障。眼科医で二本松眼科病院の平松類氏が解説する。
「目と脳をつなぐ視神経の繊維が減っていくことで少しずつ視野が欠けていく病気で、放っておくと失明に至ります。発症すると薬や手術で進行を抑制する以外の対処法がないうえ、欠けた視野は二度と回復しない」
初期だと自覚症状はほとんどないというのが通説だが、平松医師は「気づきのヒントはある。いち早く兆候に気づいて処置することが最も大切」と指摘する。
「緑内障の患者団体の調査では6割以上が『今にして思えば自覚症状があった』と振り返っています。例えば、『光が非常にまぶしく感じた』『距離は関係なく、何かを集中して見る時にかすんで見えた』といった症状です。40歳を過ぎて、視力や見え方に何らかの異変を感じたら緑内障に注意すべきです」(平松医師)
人間ドックでは、眼球内部を撮影する「眼底検査」が行なわれるが、「写真に映らない部分の神経の異常はわからない」(平松医師)。そこで登場したのが「OCT検査」だ。