中国浙江省杭州市の杭州東駅で毎朝、物乞いをしている老女が実は資産家であることが息子の証言から判明。そうしたことから、駅では構内放送で「駅の中で、物乞いをしている老女は裕福な家庭の方なので、彼女の話を鵜呑みにしないでください」との異例のアナウンスを行った。
このアナウンスが流れている駅構内の動画がネット上で拡散し大きな話題を呼び、一部では老女を批判する書き込みもあったが、金持ち老女の物乞いの背景には中国が抱える深刻な高齢化の問題があった。地元紙「銭江晩報」が報じた。
息子によると、老女は79歳で、毎朝、「駅で地図を売ってくる」と言って出かけていたという。ある時息子がこの行為を不審に思い杭州東駅に行ったところ、老女が乗客にお金をせびっている場面を目撃した。
息子は慌てて、老女に「そんな真似はやめろ」と諫めたが、彼女は「毎日、家にいてもつまらない。それに、80歳になったから、ヘルパーさんを雇うから、そのためのお金を稼がなければならない」と言い返したという。その後も、老女は毎朝、息子の制止を無視して、駅での物乞いをやめようとしなかった。
このため、息子は駅長にかけあって、冒頭の構内放送をしてもらうことになったという。息子によると、老女の一家は5階建ての邸宅に住み、1階部分の家賃収入が毎年5万元(約85万円)もあるほか、息子は工場を経営しており、生活には何ら不自由していない。