大物司会者・みのもんた(74才)のレギュラー番組『カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ、日本テレビ系)での変貌ぶりに驚く声が出ている。いったに何があった? コラムニストのペリー荻野さん綴る。
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みのもんたの「エブリケンミン、カミングアウト!」の掛け声でおなじみの『カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW』。全国各地の独自グルメ、習慣、方言などを取り上げるこの番組は放送12年目を迎えるご長寿バラエティーとなっている。
その番組の中で、最近顕著なのが、みのもんたのおじいちゃんぶりである。番組スタート当初は、好奇心丸出しで各地の珍味に「これ、ホントにおいしいの?」と突っ込みを入れたり、美人ゲストが出るたびににやにやと「夜のおじさん」モードを出していたが、今はすっかり「いい感じのシニア」モード。顔の艶よりも赤味を帯びた血色のよさが目立つのである。だいたい、オープニングの「エブリケンミン~」の掛け声にしても、元気のいい時とそうでない時のムラがある。これはアナウンサー時代にはなかったことだろう。
さらに最近は、同じく司会を務める久本雅美に言われたい放題。先日、「鹿児島弁」の話題の際には、着物姿ですっかりクラブのママみたいな国生さゆり(鹿児島県出身)が、ムードたっぷりに「こんボトルを入れくいよったとは、おまんさんあね?」(このボトルを入れてくれたのは、あなたですか)と地元言葉で語りかけると、みのは口を開いたまま、うれしそうにうっとり。すかさず久本からは「恍惚の人みたいな顔になっちゃって」と指摘されていた。さすが久本、みんなが言いたいことをズバッと言って、かゆい背中をかいてくれる。
青森の「つゆ焼きそば」を食べれば「つゆに顔を突っ込んでた」と言われ、愛知の「天むす」を食べれば光浦靖子に「道に迷ったら食べてください」と言われる。一昔前だったら、決して言われなかったことを言われ続けるみのもんた。でも、なんだか幸せそうなのである。
そう思ってよく見れば、番組中はほとんど腕組みをして上を向き、時折、ゲストたちのコメントに大笑い。しかし、各地のイケメンを探す企画「男前祭り」には、ほぼ興味ないのか、このコーナーに熱心な久本に完全に預けてしまう。久本にやりたい放題させているように見えて、実はみのもまたやりたいことをやっているのである。
各地のグルメをさまざまな世代のゲストたちと試食する場面では、みのおじいちゃんを中心に大家族が食卓を囲んでいるようにも見えてくる。身内のことなどでいろいろあってしんどい時期もあったに違いないが、それでも地上波では、この番組だけ継続した。それは正しい選択だった。
ただし、ネットでは『みのもんたのよるバズ!』を続け、完全に「ご隠居」とはいえないところも、またみのらしい。いつか、シニアモードは世を忍ぶ仮の姿でしたー!とカミングアウトして、地上波でもみの節を復活させ、「みのもんたの逆襲」を始める可能性も十分ある。眉毛が白く長く伸びようと、それがみのもんたである。