はたしてこの判断は正しかったのか──。11月11日、読売系列のスポーツ報知がケーシー・マギーの今季限りでの巨人退団を報じた。今季、打率2割8分5厘、21本塁打、84打点という数字を残したが、来季37歳を迎えるという年齢も考慮に入れたうえで、巨人は契約しない方針を固めたという。野球担当記者が話す。
「マギーは、成績以上にチームへの貢献度が高かった選手。昨年、一塁走者の重信が一度踏んだ二塁を踏まずに、一塁に帰塁してアウトになるという“三角ベース事件”を起こした時、ベンチでうなだれる重信に対して『人間なので間違えは誰しもがするものだ』と声を掛けたのが彼でした。他にも、マイコラス(現在はセントルイス・カージナルス所属)がマウンド上で審判の判定に不満を示したときには、『ガタガタ言うな!』と一喝したこともある。
本来はキャプテンである坂本勇人に求めたい役割ですが、今の巨人でフォローできる選手はマギーの他に見当たらない。数字以上に貢献度の高い選手でした。
またメジャーでの実績もあるベテランなのに、チーム事情でポジションを頻繁に代えられても、文句ひとつ言わない。セカンドでもサードでもファーストでも、安定した打撃を見せていました」(以下同)
外国人選手の貢献度を数字だけで図ることはできない。
1980年代、ムードメーカーとしてもチームを盛り上げたクロマティは最終年の1990年、2割9分3厘、14本塁打、55打点と成績が落ち込み、来季38歳という年齢も考慮されて、契約に至らなかった。クロマティと入れ替わる形で、翌年来日したブラッドリーは2割8分2厘、21本塁打、70打点の成績を残した。数字だけ見れば、ややクロマティを上回ったように見えるが、チームに溶け込めなかった印象だ。1989年の中畑清に続いて、クロマティというムードメーカーを失った影響は大きかったのか、この年の巨人は12年ぶりのBクラスに終わっている。