医療は日々進歩を続け、かつて“不治の病”とされた病気でも、命が助かる可能性は広がっている。それは、これまでなかった「治療後の人生」を送る人が増えることも意味している──。
「膀胱がんを根治させるためには全摘してください、とお医者さんから言われているんで、手術を受けることにしました」
11月5日の『とくダネ!』(フジテレビ系)で、小倉智昭氏(71)はそう告白した。検査入院ののち、11月下旬にも膀胱摘出手術を受ける。
全摘手術を受けた患者は、膀胱の機能を“人工物”で代替する。尿の“タンク”である膀胱は排尿に不可欠だからだ。しらはた胃腸肛門クリニックの白畑敦院長が解説する。
「膀胱を全摘出した場合、尿管を残せれば、腸などの組織を使って袋状の『代用膀胱』を作るケースがあります。見た目には何の変化もなく、お腹の上から手で押すなどして“膀胱”を圧迫し、排尿します」
「人工膀胱」は、尿管などを腹部に開けた穴につなぎ、排泄口を造設する方法だ。
「“ストーマ”と呼ばれる排泄口の外に、パウチと呼ぶビニールの袋を取り付けます。尿意は覚えず、自然に尿が排出される。数時間に1度、トイレでパウチの中身を捨てます」(同前)