芸能

西城秀樹がスターになるまでの道、そしてとんねるずへの配慮

髪を伸ばしたワイルドな風貌は、当時のアイドルとしては斬新だった

 今年5月に63才という若さで亡くなった西城秀樹さん。それから半年、妻の美紀さん(46)は『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年』(小学館刊)を上梓、「秀樹さんの頑張ってきた日々の記録が、どなたかのお役に立てれば本当にうれしいです」と秀樹の知られざる秘話を明かしている。

 秀樹は戦後10年目にあたる1955年、広島市で生まれた。姉と兄のいる末っ子の秀樹は、タイヤの卸商や雑貨店などいくつもの商売を手がけ、実業家として成功する父と、その仕事の手伝いをいとわなかった母の下で育った。

 音楽好きの父親の影響でバイオリンを習った秀樹は、中学生になると、兄の誘いでバンドに加わり、アメリカの音楽に親しむようになる。高校生になった夏休み、ジャズ喫茶でのアルバイトを始めた。

 そこで、芸能界へとスカウトされる。しかし、両親の大反対を受けた。「音楽は仕事ではなく趣味だ」と怒鳴られ、高校中退ということも認めてくれなかった。

 厳格な父は、芸能界入りはもちろん、上京にも猛反対した。実業家の父からすれば、仕事とはどういうものなのか、誰よりもその厳しさを知っているという思いもあったのかもしれない。

 そのとき、秀樹の味方になったのは、母だった。父親の目を盗みそっと末っ子を東京へと送り出してくれたのだ。

 1971年に上京、所属するプロダクションの社長宅での居候を始め、翌1972年に『恋する季節』でデビューしたのは秀樹が16才の時だった。当時のキャッチフレーズは181cmの長身をアピールするように「ワイルドな17才」。歌声も注目された。

 後に70年代を代表するスターとして、郷ひろみ(63才)、野口五郎(62才)と並んで新御三家と呼ばれる秀樹だが、デビュー当初は苦戦した。

「ほぼ“同期”の3人ですが、甘いマスクでアイドル然とした郷さん、品のあるたたずまいで歌謡界の新星と期待された野口さんと比べ、秀樹さんはキャラクターが定まっていませんでした。そんな中、彼の代名詞である“絶唱系”が浸透していき、1973年に5枚目のシングル『情熱の嵐』で初のオリコンベストテン入りを果たすと、次の『ちぎれた愛』で、初のチャート1位を獲得しました。新御三家で1位を獲ったのは秀樹さんが最初。ここから秀樹さんの人気は新御三家でも突出したものとなっていくのです」(レコード会社関係者)

関連記事

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト