世界的に異常気象を引き起こすとされる「エルニーニョ現象」の発生により、今年の冬は東日本から沖縄にかけて広く“暖冬”になる可能性があると気象庁が発表した。平年以上に気温が高いと、とても新しいダウンジャケットを購入して着込もうという気にもならないが、ファッションジャーナリストの南充浩氏によれば、「欲しいダウンは今シーズン中に買うのがベスト」だという。その理由とは──。
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今年の夏は記録的な暑さが続きましたが、秋も高気温が続いています。東京、大阪では11月に入ってからも23~24℃の日が続きました。これほど暖かい11月はちょっと記憶にありません。
さて、例年なら11月には「そろそろ冬物のセーターや厚手のジャンパーを出そうか」と考える人も多いと思いますが、私のような暑がり体質では半袖Tシャツと薄い上着で十分。これでは秋冬物の衣料が売れるはずもありません。
高気温のせいもあり、さまざまなブランドから「10月は苦戦した」という声を聞きます。ユニクロも既存店売上高が前年比10%減となりました。暑さのために高額なセーターやダウン、ウールコートなどの冬物が売れなかったからです。あるブランド担当者は、「10月は(高気温のせいで)売り上げが壊滅状態だった」と話していました。今のところ11月も10月同様の売れ行きではないかと推測されます。
そんな中、世間的には高級ダウンジャケットブランド「カナダグース」の活況ばかりが話題となっています。すでに8月の暑いさなかにカナダグースを買いたい人が長蛇の列を作ったと報道され、本格的な冬に入る前にすでに品薄状態が続いているとのこと。それほどの人気ぶりです。
しかし、今夏からの一連の人気ぶりをもって、「高額衣料品の動きが活発になった」とか「ダウンジャケットが今冬も人気」とは言えないと思っています。なぜならカナダグースというブランドが人気なだけであって、他の高額品やダウンジャケットが同じように動くとは限らないからです。