国内

偽装留学生こそ学校にとって「金のなる木」 大学でも増加中

日本語学校が建ち並ぶネパール。日本への留学ブームが起きている 共同通信社

 大阪の「日中文化芸術専門学校」で今年9月、外国人留学生が300人以上も退学になったことが大きく報じられた。その背景には、外国人を大量に受け入れて経営を成り立たせようとする日本の学校側の問題もある。ジャーナリストの出井康博氏が、急増する「偽装留学生」についてリポートする。

 * * *
 独立行政法人「日本学生支援機構」によれば、専門学校に在籍する留学生の数は2017年度には5万8711人と、5年間で3万人以上も増えている。そして『読売新聞』の調査(10月8日朝刊掲載)で、留学生の割合が9割以上という専門学校が全国で少なくとも72校、学生全員が留学生という学校も35校あることが判明した。

 かつて文部科学省は、専門学校における留学生の割合を学生全体の50%以下にするよう定めていた。だが、その規制は2010年に撤廃された。政府が2008年に「留学生30万人計画」を定め、留学生を増やし始めた影響だ。

 専門学校に先立ち、留学生を増やしてきたのが「日本語学校」である。2017年度には8万人近い留学生が在籍し、5年間で専門学校を上回る5万人以上の急増ぶりだ。2012年末には約18万人だった留学生が32万人以上まで増えて「30万人計画」が達成されたのも、その急増があってのことだ。

 背景には、アジアの新興国で近年巻き起こっている日本への「留学ブーム」がある。ベトナム人留学生は2012年末の8811人から8万683人と9倍以上、ネパール人も4793人から2万8001人と6倍近く増えている。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン