実に10万種類あると言われる日本人の名字。その一方で、全国100人未満の「珍名字」は6万種類だという統計もあるという。
そもそも名字は家と家を区別するものであり、森や川、山など目印となるものが使われていた。
「しかし動物は他の場所に移動するので、名字として使われることが少なかったのです」(姓氏研究家の森岡浩さん・以下同)
その中でも比較的使われていたのは、人間に身近だった牛などの家畜。
「特に飛んでいく鳥は名字として使いにくかったんでしょうね。鳥にまつわる名字は非常に少ない。多いものといえば鷹か鷲。鷲尾さんや鷹野さんなどが代表的。中世では両方とも里でもよく見られたようです。
他には鴨志田さんや鴨川さんなどの“鴨”も多いのですが、希少なのは雀や燕。体も小さく、すぐに飛んでいくので、名字につけにくかったのかもしれません」
【教えてくれた人】
■姓氏研究家・森岡浩さん/日本人の名字にまつわる研究を行う。『日本人のおなまえっ!』(NHK総合)に出演。https://office-morioka.com/
※女性セブン2018年11月29日・12月6日号