芸能

西城秀樹さんの妻「ようやくアルバムを眺められるように」

2005年、軽井沢で撮った家族写真

 今年5月に63才という若さで2018年5月16日に亡くなった西城秀樹さん。それから半年、妻の美紀さん(46才)は『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年』(小学館刊)を上梓、「秀樹さんの頑張ってきた日々の記録が、どなたかのお役に立てれば本当にうれしいです」と秀樹の知られざる秘話を明かしている。

 これまで明かされていなかったが、秀樹が最初に脳梗塞となったのは2001年の秋のことだった。そして、2003年6月には2度目の脳梗塞を経験している。

 2005年には第3子が誕生し、3人の子供の父親となった秀樹は、再発の不安を抱えながらも精力的に仕事をこなすようになった。コンサートはもちろん、2009年にはNHK連続テレビ小説『つばさ』や、『趣味の園芸 やさいの時間』(NHK Eテレ)にレギュラー出演。2011年3月にはミュージカルで初めての悪役にも挑戦した。

 脳梗塞の影響もあり、舞台は難しいと本人も感じていたが、悩んだ末にオファーを受けた。ものすごい集中力で台本を覚え、無事に長丁場の舞台を乗り切った。この頃の秀樹は病気前の姿に近いといえるぐらい回復していたという。

 しかし、その年の年末、再び脳梗塞が秀樹を襲った。歌手として最も忙しくなる年末年始の仕事をすべてキャンセルするほかなかった。翌年の1月末には仕事復帰していたが、病状は悪化していたという。

 寝ていても目が回るが、検査を受けても原因がわからない。秀樹と美紀さんが“クルクル病”と名づけたその症状は、ステージに立っているときだけ治まるが、日常生活では回り続ける。美紀さんの不安は強くなっていった。

《(秀樹の)体はじわじわと思うようにならないことが増えていました。言葉もうまく出なかったり、言ったことを忘れて何回も同じ事を聞いてしまったり…》(美紀さんの著書『蒼い空へ』より。以下《》内、同)

 秀樹が多系統萎縮症と診断されたのは、そうした予感を抱いた直後のことだった。脳が萎縮することで、自律神経障害が出るようになる病気だ。2015年、野口五郎をサプライズゲストに迎えた還暦ライブを成功させた裏で秀樹は満身創痍だった。

 しかし、誰もが秀樹の回復を信じていたし、何より本人は意欲的だった。長年秀樹のマネジャーとして連れ添った片方秀幸さんはこう話す。

「同年代のかたがテレビで活躍している姿を見るたび、“そろそろテレビの仕事を入れてくれよ”“(郷)ひろみが出てるじゃん。おれもテレビ出なきゃ”と意欲を見せていました。秀樹さんは病気のことよりも、いつも仕事の話か子供の話ばかり。楽しそうに前向きに話していた。今よりもっとよくなるし、絶対回復すると信じていました。だから今年は“本格的にリハビリをして回復の1年にしよう”と秀樹さんと話をしていたところでした」

 5月26日、蒼天の下、東京の青山葬儀所で秀樹の葬儀が営まれた。喪主の美紀さんと3人の子供に参列者は皆、かける言葉も見つからず、野口五郎と郷ひろみの弔辞は多くの人の涙を誘った。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト