毎年数々の名作が誕生する「サラリーマン川柳」。歴代の優秀作品を眺めていくと、そこには世代間のギャップが表れている。これぞ、という作品を一挙紹介する。
【括弧内は雅号。寸評はネットニュース編集者の中川淳一郎氏】
●どうなった? 「確認します」はやってません(2015年、受け流し丸)
「確認します」とか「了解しました」とか「承知しました」とか若者はやたらと丁寧なのだが、丁寧な言葉遣いだったらサボりが許される、と考える人への苛立ちが感じられる良い句です。
●気付いてよ 既読スルーも 返事なの(2014年、現代っ子)
最近のオッサンはなまじっかスマホなんてもんを持ってしまったため、LINEの返事を1時間しないだけで「俺を低く見やがって!」と怒る。既読スルーにより「メッセージ伝わった」でいいじゃないですか。
●部下の言う 「課長やばい」は 褒め言葉(2015年、無粋上司)
「やばい」が褒め言葉っていうのはもしかしたらオッサンのセンスかもしれませんよ。2000年代前半に世間を騒がせた「スーパーフリー」の代表の決めゼリフは「アツい、ヤバい、間違いない」で、彼は現在44歳。
●ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?(2016年、なおまる御前)
いやはや、レッテルを貼られた者同士のいがみ合い。これは許してあげましょうよ。バブル入社組は「大量採用時代だったからバカでも入れた」と言われ、ゆとり世代も「お前らは勉強していない」と揶揄される。いっそのこと仲良くなれば?