名字に込められた深い意味とは!?
「これまでたくさんの名字を調べてきましたが、適当につけられたものはひとつもなく、どれも先人たちが意味を持たせてつけてきたものでした」
と言うのは、『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!』(NHK)のプロデューサー・亀山暁さん。
「2015年に“田中さん”だけに特化した番組を作ったのですが、これは番組スタッフに田中さんがいて、彼が自分の名字を平凡だと思っていたことから始まった企画です。
調べる途中で、千利休の本名が田中与四郎だったことがわかって驚いたり…。田中は単に田んぼの真ん中にあるからつけられたわけではなく、うちの田んぼは財産を生み出す立派なものだと、子孫に伝えるためにつけられているなど、それぞれに背景のある、とても興味深い分野だと思います」(亀山さん・以下同)
その後、新たに『日本人のおなまえっ!』が始まり、番組内で視聴者から調べてほしい名字を募集している。その中で、印象深いのが地切(じぎり)さんだという。
「視聴者から依頼されて取材をすると、地切さんが多い場所は、かつて土砂崩れのある危険な地域だったことがわかりました。先祖は自らの名字に地が切れる、つまり、“地面が崩れやすいところだから危険である”という意味の名字をつけることで、後世に伝えようとしていたのです」
私たちの名字には先祖の思いがつまっていると考えると、感慨深い。
※女性セブン2018年11月29日・12月6日号