国内

海外輸入牛肉には発がん性のホルモン剤使用のリスクも

海外で禁止・制限されている食品リスト【1】

 海外から輸入した牛肉には目に見えないリスクが潜んでいる。にもかかわらず、牛肉の輸入量は増加の一途を辿っている。実際、2017年の牛肉輸入量は57万2000t。前年度から9%増加した。一方で、国産牛の供給量は伸び悩んでいる。

 札幌がん検診センター理事兼細胞診センター長の藤田博正医師はこの状況に警鐘を鳴らす。

「米国では成長促進剤として、肥育時の牛に女性ホルモンの一種である『エストロゲン』を投与します。エストロゲンには強い発がん性があり、日本では使用が認められませんが、輸入肉からは大量に検出されます」

 藤田医師らは2009年、一般のスーパーで売られていたアメリカ産牛肉と国産牛肉を各30枚以上購入し、赤身と脂身に含まれるエストロゲン濃度を比較した。その結果は驚くべきものだった。

「残留濃度の平均を計測すると、アメリカ産牛肉は国産牛肉より赤身で600倍、脂肪で140倍もエストロゲン濃度が高かった。これは深刻な数字です」(藤田先生)

 さらに気がかりなデータがある。EUは1989年にホルモン剤を投与された食肉の輸入を禁止した後、EU各国で乳がんの死亡率が30%以上減少したというのだ。

「一方で、EUの輸入禁止により行き場を失ったホルモン剤使用の牛肉は日本に市場を見出しました。その後、日本人の牛肉の消費量が5倍に増加すると、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、前立腺がんといったホルモン依存性のがんが、5倍に増えた。欧州と日本の状況から、ホルモン剤使用牛肉とがんの発生の関係が強く疑われます」(藤田先生)

 注意すべきは、アメリカ産牛肉ばかりではない。食品の輸入事情に詳しい東京大学大学院国際環境経済学教授の鈴木宜弘さんが解説する。

「よく『豪州産牛肉は安心』といわれるが、国内で販売される豪州産牛肉は『ホルモン剤は使用していません』とわざわざパッケージなどに記載するもの以外、基本的にホルモン剤が使用されていると考えていい。

 またアメリカ産や豪州産の豚肉にも、『ラクトパミン』という成長促進剤が使われていることがあります。ラクトパミンには発がん性と、めまいや吐き気などの中毒症状があり、EUだけでなく中国やロシアも“この肉は危ない”として、この薬を使った牛肉や豚肉を輸入禁止にしています。しかし、日本は国内での使用は禁止していますが、輸入は規制していません」

※女性セブン2018年11月29日・12月6日号

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
「みどりの式典」に出席された天皇皇后両陛下(2025年4月25日、撮影/JMPA)
《「みどりの式典」ご出席》皇后雅子さま、緑と白のバイカラーコーデ 1年前にもお召しのサステナファッション
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン
保育士の行仕由佳さん(35)とプロボクサーだった佐藤蓮真容疑者(21)の関係とはいったい──(本人SNSより)
《宮城・保育士死体遺棄》「亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました」行仕由佳さんとプロボクサー・佐藤蓮真容疑者(21)の“意外な関係性”
NEWSポストセブン
卵子凍結を考える人も増えているという(写真:イメージマート)
《凍結卵子の使用率1割弱の衝撃》それでも「高いお金を払って凍結したのに、もったいない」と後悔する人は“皆無”のワケとは《増加する卵子凍結の実態》
NEWSポストセブン
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《広末涼子逮捕のウラで…》元夫キャンドル氏が指摘した“プレッシャーで心が豹変” ファンクラブ会員の伸びは鈍化、“バトン”受け継いだ鳥羽氏は沈黙貫く
NEWSポストセブン
大谷翔平(左)異次元の活躍を支える妻・真美子さん(時事通信フォト)
《第一子出産直前にはゆったり服で》大谷翔平の妻・真美子さんの“最強妻”伝説 料理はプロ級で優しくて誠実な“愛されキャラ”
週刊ポスト
「すき家」のCMキャラクターを長年務める石原さとみ(右/時事通信フォト)
「すき家」ネズミ混入騒動前に石原さとみ出演CMに“異変” 広報担当が明かした“削除の理由”とは 新作CM「ナポリタン牛丼」で“復活”も
NEWSポストセブン
万博で活躍する藤原紀香(時事通信フォト)
《藤原紀香、着物姿で万博お出迎え》「シーンに合わせて着こなし変える」和装のこだわり、愛之助と迎えた晴れ舞台
NEWSポストセブン