永田町で“伝説”になっている2013年に開かれた披露宴がある。新郎は経産省の若手キャリア、新婦は資産家の令嬢だったが、注目されたのは来賓の豪華な顔ぶれだ。
政界から安倍晋三・首相、小泉純一郎・元首相、森喜朗・元首相という「3人の総理」が勢揃いしたのである。現職国会議員の披露宴でも、3人の新旧総理が顔を揃えることはまずない。
愛娘の披露宴に総理を並べて存在感を誇示したのは新婦の父・里見治氏(76)だ。なぜ、そんなスケール違いの“集客力”を持つのか。里見氏は大手パチンコ・パチスロ機メーカーのセガサミー創業者で、「資産1113億円」(フォーブス「日本の富豪50人」2018年版)とされる大富豪。
新郎の鈴木隼人氏は披露宴の翌年(2014年)の衆院選に自民党(東京ブロックの比例代表)から出馬して代議士に転身し、前回2017年の衆院選では東京10区から出馬し当選、東京に地盤を得た。ノンフィクション作家の森功氏が語る。
「里見氏の政治力をもってすれば“ムコ殿”を政治家にするくらい朝飯前。それ以上に里見氏の政治力を物語るのは安倍政権が今年の通常国会の会期末ギリギリに豪雨被害対策そっちのけでカジノ実施法案を成立させたことです。
セガサミーは日本でのカジノ開業をにらんで昨年、韓国の仁川国際空港近くでカジノ付きリゾート『パラダイスシティ』をオープンしている。国内では彼らカジノ推進派や米国トランプ政権の“早くカジノを解禁せよ”という強い要請に応える必要があったのでしょう」
※週刊ポスト2018年12月7日号