病気で医者にかかったとき、「ほかのお医者さんの意見も聞いてみたい」と思ったことはないだろうか。そうしたセカンドオピニオンを受けるためにはどうすべきなのか。
患者が「主治医に伝えずに」別の医師の意見を求めてもいいのか。主治医の「治療法」に疑問を抱く場合と、「病名の診断」自体を疑う場合で事情が異なる。
●「病名」そのものに疑問を持った場合
主治医には「問題なし」と診断されたが、症状がなかなか改善されず、“本当は重病かも”と不安が収まらないなどの場合は、主治医に黙ったまま、別の病院の外来を「初診」で受ける選択肢があるという。浜松オンコロジーセンター院長で、セカンドオピニオン外来を担当する渡辺亨医師(腫瘍内科)が語る。
「例えばがんの場合、細胞の一部を切り取って調べる『生検』を行なわず、レントゲンや超音波検査だけで診断すると“見逃し誤診”が生じる可能性がゼロではない。生検を行なわずに診断する場合など、病名の診断で納得がいかないことがあれば、他の医療機関にかかることをためらうべきではありません」
●「治療法」に疑問を持った場合
それより一般的に多いのが、主治医の「治療法」に疑問を抱くケースだ。基本的には「主治医に伝える」ことが前提になる。北品川藤クリニック院長の石原藤樹医師が指摘する。
「がんや難病の場合、カルテや画像診断などのデータが、治療法を決めるうえで極めて重要な情報となります。そのため、必要な情報を別の医師に共有してもらうよう、主治医に申し出る必要があります」