『大家さんと僕』、『下町ロケット』シリーズ…。2018年も数多くのベストセラーが誕生した。だが、まだ知られていない名作も少なくない。そこで、“私が知る名作”を国際政治学者の三浦瑠麗さんに紹介してもらった。
【プロフィール】
三浦瑠麗さん(38才)
国際政治学者、東京大学政策ビジョン研究センター講師。『ワイドナショー』(フジテレビ系)などコメンテーターとしても活躍。新著に『あなたに伝えたい政治の話』(文春新書)『21世紀の戦争と平和』(新潮社。2019年1月刊行予定)など。
『ウールフ、黒い湖』
ヘラ・S・ハーセ/作品社/2160円
「著者は、東インド(現インドネシア)で育ったオランダ人女性。植民地で育った“ぼく”と現地人の少年ウールフの友情、もう二度と蘇らない故郷、現地の人々の人生に切なさがこみ上げます」(三浦さん・以下同)
『未来をはじめる「人と一緒にいること」の政治学』
宇野重規/東京大学出版会/1728円
「労働時間と子育て、税金、いじめなど、私たちの日常に深くかかわる問題の論点がわかりやすく解説されている。“思想”とは、そうした具体的な苦しみや悩み、欲望から生まれたものであるとストンと理解できる」
『不道徳お母さん講座』
堀越英美/河出書房新社/1674円
「現代社会の“道徳”のコアにあるのは、“共同幻想”だと、2児の母である著者が喝破。“あなたのため”という言葉ほど危険なものはない。母性を理想化することの危険性を訴える」
※女性セブン2018年12月13日号