日本球界でデータ野球の最先端を走る福岡ソフトバンクホークスは、提携するIT企業・ライブリッツ株式会社と選手専用のデータ検索アプリケーションを開発。選手たちは球団から支給されたタブレットとスマホから、ボールの動きを三次元的にトラッキング(追跡)する弾道測定器の「トラックマン」やプレー映像、配球や球種の傾向など様々なデータにアクセスできる。そのアプリを最も有効活用しているといわれるのが、今季、育成選手から一軍選手に昇格し、日本シリーズでも好投したルーキー、大竹耕太郎・投手(23)だ。
「僕はデータを、“相手を知るため”と“自分を知るため”に大別しています。“相手を知る”とはいわば予習ですね。対戦相手が自分と同じようなタイプのピッチャーとの対戦でどういう結果だったのか。主に映像データで確認しています」(大竹)
ホークスの選手専用アプリでは、12球団すべての選手の映像データが過去数年分にわたってデータベース化されている。
「条件検索することで、瞬時に自分の欲しい映像だけを取り出すことができるので、すごく便利で助かっています」(大竹)
たとえば「ライオンズ」→「秋山翔吾」→「2018年」→「対左投手」→「安打」と条件を順にタップしていくと、今季、秋山がサウスポーからヒットを記録した打席だけを集めた映像が自動編集される。さらに「結果球」を条件に加えれば、ヒットを打った投球だけに絞ることも可能。もちろん、逆に凡打に倒れたとか、三振に打ち取られたシーンの条件でも検索できる。