芸能

ビートたけし「さくらももこさんはオイラに似ていた」

さくらももこさんとの思い出を語るビートたけし氏

 8月にこの世を去った漫画家・さくらももこさんを偲ぶ「さくらももこさん ありがとうの会」が11月16日、東京・青山葬儀所で営まれた。『ちびまる子ちゃん』の作者として知られるさくらさんと交友があり、11月30日に著書『「さみしさ」の研究』(小学館新書)を上梓したビートたけし氏が生前の思い出を明かした。

  * * *

 縁の深い人だった。漫画家のさくらももこさんが、乳がんのために53歳で亡くなった。知らなかったけど、10年近く闘病していたそうだ。大杉漣さんもそうだけど、自分より若い人が亡くなるのは、どうにもさみしくなる。

 彼女は昔からオイラのテレビやらラジオのファンだったんだよ。で、追っかけみたいなこともしていたらしい。『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)のスタジオにも、よく遊びに来てくれたと思う。確かその当時はもう売れっ子の漫画家だったはずなのに、あんまり小っちゃいもんだから、「おい、子供が紛れ込んでるぞ」なんてイジったりして、そっから仲良くなってさ。

 そんなつながりで、オイラがアニメの『ちびまる子ちゃん』に登場することもあったし、プライベートでもちょくちょく交流があったよ。オイラの家にはさくらももこが描いた大きな絵が飾ってあるし、向こうの家に遊びに行ったこともある。漫画の「ヒロシ」で有名な彼女のオヤジさんにも会ったよ。

 息子さんは、自分の親が「さくらももこ」だってことを知らないんだよな。ビックリしちまったよ。たぶん、子供が「自分は有名人の子供だ」って知ることで、妙に鼻高々になったり、逆に変なプレッシャーを感じさせるのがイヤだったんじゃないかな。子供とはあくまで「普通の親子」としての時間を持ちたかったんだろうね。

 さくらさんと話した中で、よく覚えているのが確かお祖父さんの亡くなった時のことだよ。お祖父さんは亡くなる時に口をポカーンと開けたまま死んじゃって、それを隠すためにほっかむりみたいなのを頭に巻いて納棺したんだって。本当は白いさらしの布がよかったんだけど、見つからないからしかたなく“祭”と赤い字で書かれた手ぬぐいで代用したんだよな。

 それをさくらさんは「ドジョウすくいの人みたいだった」なんて言ってさ。「今にもクネクネ踊り出すかと思って、あたしゃ笑いを堪えるのが大変だったんだから」ってね。

 芸人ならまだしも、女の人が自分の身内をそういう風に引いた目線で見たり、話したりすることはなかなかできないよね。結局、そういうシニカルさというか、ブラックユーモアみたいなセンスがオイラと似ているのかもしれない。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン