ネットで盛り上がるニュースの大きな要素が“ギャップ”、それは中国でも同じだ。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。
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最近の中国での交通の話題といえば、もっぱらバス運転手に対する暴行である。
支払いや乗降の際のトラブルで、激高して運転手に殴りかかり、ハンドルを勝手に操作するなど。たいていは車内の監視カメラの映像と一緒にニュース配信されてきた。この問題は単なる暴行だけでなく、場合によっては公共安全危機罪が適用されるため、死刑になる可能性すらあるにもかかわらず、毎日のように新たな事件が報じられ続けている。
さて、そんななかちょっとテイストの違う交通違反のニュースが話題となった。
場所は浙江省臨海市である。25歳のタクシー運転手が、交通違反で処分されたのだが、その理由は「運転中に顔パックをしていたから」というもの。きっかけは、タクシーを見かけた別の車の運転手が写真を撮影して投稿したことだった。
当初、「笑い死んだ」という一文が付けられていたが、さすがに運転するには危険だと判断され、運転手が所属する会社(臨海古城汽車出租公司)も処分を決めたということだ。
このニュース、いうまでもなく写真が話題となったのだが、運転手はどうみてもパックが必要な美形ではなく、むしろ強面系であったことも、さらに注目される要素であった。