ライフ

「発達障害」に含まれる主な3つの障害とは 小児科医が解説

小児科医の松永正訓さんが「発達障害」を解説

 自閉症として生まれてきた少年とその母を取材した単行本『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』(松永正訓・著/中央公論新社刊)が版を重ねている。同書が話題になるように、「発達障害」に対する関心も高くなっているが、その定義をしっかり把握できているのだろうか。そこで、「発達障害とは何か」について、『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』の著者でもある小児科医の松永正訓さんに解説してもらった。

 * * *
「発達障害」とは、正確には「神経の発生と発達の異常」である。胎生期に脳の神経組織がきちんと発生・発達しなかったために発症する。おもに次の3つからなり、しばしば重複する。

○自閉症スペクトラム障害

 次の2つによって診断される。

1 社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の持続的な欠陥
2 行動・興味・活動の限定された反復的な様式

 分かりやすく説明すると、コミュニケーションに障害があり、極端にこだわりが強いという障害である。スペクトラムとは連続体という意味で、自閉傾向の強さや知的障害の有無には大きな幅がある。知的障害のない自閉症のことを、アスペルガー症候群と呼ぶ。アスペルガー症候群の人は、場の空気が読めず、こだわりが強いため、対人関係にたびたびトラブルを起こす。

○注意欠如多動性障害

 英語の頭文字を取ってADHDと言う。以下の特徴がある。

・不注意(集中力がない/忘れ物が多い/飽きっぽい/物をなくす)
・多動性(席に座っていられず立ち歩く/じっとできない/片付けができない)
・衝動性(人の話を最後まで聞かずに喋り出す/順番を待てない/列に割り込む)

○学習障害

 知能全般は正常であるにも関わらず、「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算する」「推論する」ことの習得や使用に障害がある状態を言う。教科書を音読できない、文字を書けない、一桁の足し算ができない、地図の意味が分からないなどの症状を示す。
〈寄稿・松永正訓〉

※女性セブン2018年12月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン