すべての上場企業は毎年、金融庁への「有価証券報告書(有報)」の提出と公表を義務づけられている。事業内容や財務諸表、経営指標などが記載されており、投資家が重要な判断材料とする。
2010年3月期以降、年間1億円以上の報酬を受け取る役員の「氏名」と「報酬額」を開示しなくてはならなくなった。日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者には、8年間で計80億円もの過少記載を行なった疑いが浮上している。
ただ、昨年度の有報に記載された分だけでゴーン容疑者の報酬は7億3500万円にのぼる。
一般的に“高収入”といわれる年収1000万円以上を稼ぐ日本の給与所得者は、全体のわずか5%程度。その中のさらに一握りが、ゴーン容疑者のような「1億円超プレーヤー」というわけだ。
2017年度(2017年4月期~2018年3月期決算)の有報を基に東京商工リサーチが行なった最新の集計によると、1億円以上の役員報酬を得ていたのは704人。前年度と比べ、「1億円超プレーヤー」は、98人も激増したのだ。
“超高給取り”のトップ100を表にまとめたところ、そこには、カリスマ経営者や名物社長の顔ぶれが並んだ。
堂々のトップは、ソニーの平井一夫・会長(57)。今年4月に社長を退任したことに伴う退職金が11億8000万円含まれているが、それを除いても約15億円の報酬を得ている。
「ソニーは元々“高額報酬体質”。平井氏の前任でもあるハワード・ストリンガー氏が2005年にCEOに就任したことで傾向は顕著になった」(経済ジャーナリスト)