12月3日、「第35回2018年 ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、年間大賞に輝いたのはカーリングの「そだねー」だった。銅メダルを獲得した平昌五輪のアイスで、吉田知那美らが作戦に同意する時などに、北海道弁独特のイントネーションで口にした相槌だ。「単純に響きが可愛い」「緊迫した試合中でも癒される」とカーリング人気に拍車をかけた。
ロコ・ソラーレのメンバーはノミネートされた後は「素直に嬉しいですけど、普通に言っている言葉だから」、「自分たちが訛ってるの知らなかった」と、多少の戸惑いも抱いていたが、チーム結成以来、コーチを務める小野寺亮二コーチは「普通に使っている言葉だからこそ嬉しい。道民もみんな、喜んでくれると思います」とコメントした。
大賞受賞を受けて“インフルエンサー”のひとり、吉田知那美はこう語る。
「カーリングっていうスポーツから、流行語を生むなんて数年前、誰が想像できただろうと思います。それだけ認知されたということ。ありがとうございます。これからも頑張ります。でも最近は、私よりてっちゃんやユータの方が使ってますよ」
彼女が「てっちゃん」と呼ぶのは今季から男子カーリングに参入したコンサドーレのサード・清水徹郎だ。吉田知とはミックスダブルスという男女ペアの種目でパートナーを組み、先月も青森で自主合宿を組むなど強化を継続している。
清水はSC軽井沢クラブの一員として平昌五輪にも出場した長野県出身のカーラー(カーリング選手)だが、今夏からコンサドーレに加入し、札幌に居を移した。そこでの生活や道産子に囲まれてのトレーニングで、「自覚はないのですが、徐々に侵食されているのでしょう。言ってたとしても周りも普通に使っているので自分でも分かんないんですよね」と苦笑いを浮かべる。
同じく、コンサドーレのスキップ「ユータ」こと、松村雄太も長野出身のカーラーだ。知那美と夕梨花ら吉田姉妹の長女・菜津季さんの夫でもある彼は、2012年に北海道に移住した経緯もあり「そだねー」の他にも、試合中に「いいんでないかい?」や「こっちのほうが投げやすいかい?」といった、北海道弁も板についてきた印象すらある。
こちらも清水同様「まったく意識もしてないし、認識もしてなかった。そんな言ってますかね?」と自覚はない模様。「改めて指摘されると、なんかすげー恥ずかしい。でもこれがきっかけでまた、カーリングが注目されたらいいですね」と語った。
当人であるロコ・ソラーレのメンバーは一時、アイス外のことばかり注目されるのを避け、一時、テレビやイベントでは「そだねー」を封印していたが、吉田知は「アイスでは全然、言ってますよ。観に来てくれれば聞けます」と満面の笑顔を浮かべた。