2020年東京パラリンピックを見据え、「障碍」と表記できるよう、「碍」を常用漢字表に加えようとする動きが衆参両院にあったが、11月22日、結論は先送りとなった。
「害」が持つ否定的なイメージを不快に思う人がいることから、「碍」を当てようとするものだが、こうした動きは今後も続くと思われる(「碍」は、電流を遮断する「碍子」などに使用され、“壁”の意を持つ)。
この表記については、自閉症として生まれてきた少年・勇太くん(仮名)とその母を取材した単行本『発達障害に生まれて』(中央公論新社刊)の著者・ベテラン小児外科医の松永正訓さんとダウン症の子供を持つ女優・奥山佳恵さんも注目している。
奥山:「障害」という字の解釈について、先生のご本にもありましたけど、私も同感です。その子に障害があるわけじゃなくて、世の中に障害がある。
例えば、足が不自由なかたは、そこに階段があるから階段が障害なんです。人が障害ではなくて。階段がなくなって、足が不自由でもどこにでも行けるように、バリアフリーになればいいと思います。本当に「障害」ってなんだろうって思うんですよね。
松永:たしかにそういう部分があって、勇太くんのことを障害児と言い表すことができるかもしれないけど、彼はぼくらが持っていない才能がある。
彼は彼で、できないことがあるかもしれない。だけど、障害はやっぱり彼にあるんじゃなくて、社会にあって、社会との接点においての不自由があくまで障害なんだと思います。
※女性セブン2018年12月13日号