「グラビアページなの? おっちゃんですけど、なんなら水着になりましょうか」──その言葉に一瞬で周囲の空気が和む。気遣いが半端ではない。しかし、まさかこの男が還暦を超えて「ユーチューバー」になるとは誰が想像しただろうか。
プロ通算14年間で打率3割以上を8度、ベストナイン3回、盗塁王1回という輝かしい実績。横浜ベイスターズのレジェンドOBとして解説者等で活躍している高木豊(60)が、今年4月からプロ野球OB初のユーチューバーとして、お笑いコンビの「孝行球児」(メイデン古茂田と得コータロー)と一緒に活動している。
「なんでもかじってみたいという興味本位から始まりました。球界でも賛否両論があるみたいですけど、別に気にしないです。先駆者とはそういうものですから。まだ誰もやっていないような面白いものを作らないと」
現役時代の高木はスマートなスタイルで、安定した守備力とシュアなバッティングを武器に活躍した1980年代を代表する選手だった。それが今や、気心知れた“おっちゃんユーチューバー”として自虐ネタや下ネタを炸裂させ、泥臭いほどに自分を曝け出している。
「ユーチューブのいいところは本音で話せるところ。テレビだとスポンサーの関係上、好きなことが言えない場合が多い。だからこそ、本音で喋れるチャンネルを作りたかったんです」