芸能

入浴シーン、時代でどう変化?「時間ですよ」から田中麗奈まで

『ぬけまいる~女三人伊勢参り』では田中麗奈、ともさかりえ、佐藤江梨子が入浴シーンを披露(公式HPより)

 ドラマに登場する銭湯の女湯や入浴シーンは、時代ともにどのように変わったのか。コラムニストのペリー荻野さんが考察する。

 * * *
 今年亡くなった樹木希林さんの代表作のひとつ『時間ですよ』シリーズが、BS12 トゥエルビで再放送中だ。このドラマを改めて見て驚くのは、実におおらかに女性の裸が出てくること。樹木希林さん(当時の芸名は悠木千帆)演じる浜さんは銭湯「松の湯」で、人のいい主人(船越英二)、おかみさん(森光子)、歴代お手伝いさん(3代目は浅田美代子)、従業員の健(堺正章)と働いている。話の舞台が銭湯だから、脱衣所でお客が裸になるのは当たり前なのだが、あっちでもこっちでも胸もあらわな女性客がいて、話したり笑ったり。体は映っているのに顔はほとんどわからない人も多いのだ。

 もちろん話題作りのためのヌードだとは思うが、お色気よりは生活感があって、ドラマに人間味を添えていた気もする。70年代は、銭湯や入浴シーンで裸はよく出てきた。私は70年スタートの時代劇『大江戸捜査網』(テレビ東京系)を取材した際、シリーズ初期に密かに事件を探索する隠密同心の打ち合わせ場所が銭湯だったので、裸女性のいる女湯セットもあり、「目のやり場がなくて困った」と出演者から聞いたことがある。正義の味方も困惑気味だったのである。なお、このシリーズにも悠木千帆時代の樹木希林さんが出演している。

 2時間ドラマには、火野正平らとにこにこ混浴するヌードギャルが話題となった『混浴露天風呂連続殺人』シリーズ(テレビ朝日系)などがあったものの、平成には連続ドラマでは女湯裸シーンほぼ絶滅した。それとは別に話題になったのが、「入浴シーン」だった。『水戸黄門』(TBS系)の入浴クイーンお銀(由美かおる)をはじめ、今年はベッキーも『くノ一忍法帖』(BSジャパン)で毎回入浴。そして、現在はNHK『ぬけまいる~女三人伊勢参り』で、田中麗奈、ともさかりえ、佐藤江梨子が、奮闘中だ。

 江戸日本橋の小物問屋の女主お蝶(田中)、フリーターのお以乃(ともさか)、武家に嫁いだお志花(佐藤)がそれぞれの事情から、突然、お伊勢参りの旅に出て、さまざまな事件に遭遇するというお話。3人は、旅の途中、各地で温泉に浸かるのである。風呂で寛ぎ、風呂で泣き、風呂でケンカする。いちいち風呂がからむところが面白い。

 田中麗奈は映画『ゲゲゲの鬼太郎』の猫娘、ともさかは『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)の美雪、佐藤江梨子は映画『キューティーハニー』、ナイスな実写版キャラ三人娘も、今やドラマの中で若い娘たちにお金をだまし取られた上に「おばさん」と呼ばれてキーッとなる年ごろなのである。怒ったともさかが娘たちを投げ飛ばすのもマーク宿の風呂の脱衣所にて。このドラマの風呂への徹底したこだわりがここにも出ている。こんなに奮闘しているんだから、もっと三人の入浴シーンについて語る人が増えてもいいのではと思う。
 
 なにしろ、風呂のシーンはセットを用意するのも大がかりで大変なのだ。入浴シーンまでも絶滅したら、ますますドラマから人間味がなくなる気がする。がんばれ、ぬけまいる三人組!!
 

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン