ビジネス

大前研一氏 入管法改正は国民DB制度抜きでは話にならない

経営コンサルタントの大前研一氏

 外国人労働者の受け入れ拡大のため出入国管理法の改正を政府は強引にすすめようとしている。拙速との指摘も多い今回の外国人受け入れ制度について、経営コンサルタントの大前研一氏が、何を基礎とすべきかについて解説し、批判する。

 * * *
 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改正案の審議が難航している。

 安倍政権が今国会最大の重要法案と位置付ける同法案は、深刻な人手不足に対応するために「特定技能1号」「特定技能2号」という在留資格を新設するもの。1号は「相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」で、最長5年の在留を認めるが、家族の帯同はできない。2号は「熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」で、在留期間を更新することができ、配偶者と子供の帯同も認める。政府は今国会で同法案が成立すれば、来年4月から新制度を導入する方針だ。

 政府が新たな在留資格の受け入れ対象として検討しているのは、建設業、造船・舶用工業、農業、漁業、介護業、外食業、宿泊業、飲食料品製造業、素形材産業、ビルクリーニング業など14業種。受け入れ見込み人数は新制度導入初年度の2019年度が3万2800~4万7550人、2019年度から5年間の累計で26万2700~34万5150人となっている。

 だが、この法案は、あまりにも場当たり的でお粗末だ。そうなったのは、これが来年の統一地方選挙と参議院議員選挙に備えた安倍政権の選挙対策でしかないからだ。人手不足に悩んでいる企業や農民・漁民などの自民党支持者から、早く外国人労働者を“解禁”してくれないとつぶれてしまう、という陳情が殺到して急ごしらえしたのだろう。

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン