今では、妻だけではなく、夫も率先して家事をする時代。単身世帯も多いので、誰でも手軽に使えるレトルト食品が重宝すると、食文化研究家のスギアカツキさんは言う。
「自分より夫の帰りが早い日には、入れるだけ、混ぜるだけで、誰でもおいしい一品ができるレトルト食品があれば“これで作ってね”と気軽に頼むことも可能。今後も需要が増えていくと思います」
定年まで料理をしたことがなかった夫でも簡単に作れるところがメリットだが、常温で長期間保存できるため、保存料などが大量に使われているのではと、不安に…。日本缶詰びん詰レトルト食品協会の金村宣昭さんはこう語る。
「レトルト食品は、加圧加熱殺菌処理がされているため、常温でも保存可能なのです。最近は、保存料などの添加物が必要以上に含まれていないものも増えていますよ」
さらに、1度で使い切れるレトルトにはメリットが多い。
「使い切りだと躊躇なくいろいろな味を試せます。自分で作ると余りがちな調味料などもレトルトなら不要なので、食品ロスも減らせます」(スギさん)
以前、トマト鍋が流行ったように、新ジャンルの鍋はまずレトルトつゆで試す人も増えている。鍋は具材を入れればいいだけの手軽さがあり、新商品は見た目の面白さやしめまで楽しめる。『ヤマサ 匠鍋 金ごま塩だし肉鍋つゆ』は、煮干しやしょうがが効いているので、しめにラーメンを入れるとタンメン風の味わいに。華やかな肉鍋タワーにも挑戦してみて。
混ぜご飯の素のレトルトも進化している。お米と一緒に炊飯器に入れてスイッチを押せば、食べ応えのあるご飯が完成。レトルトの混ぜご飯の素を使えば、火加減などを見守る必要がなく、電子レンジ調理と同様、失敗がない。最近は1合用も登場している。
味の素『Cook Do炊飯器でつくる!バター鶏(チキン)ピラフ用』は、バターのコクとじっくり炒めた玉ねぎの甘みに、たまりしょうゆを加えたソースが絶品。炊飯器で作れる簡単ピラフの素は、ぜひストックを。
大塚食品の『銀座ろくさん亭 極みの五目釜めし』は、塩麹に漬け込んだ鶏肉と6種の国産具材を使用。利尻昆布と枕崎産かつおぶしからひいただしは香りが抜群。1合用なので2人で食べるのにぴったり。
そして、「味つけに自信がない」「1品作るためだけにスターアニスなどのマニアックな調味料を買うのはイヤ」。そんな人を救うのが調味用ソース。初めて作る料理でも、安心して挑戦できる。
味の素『Cook Doあらびき肉入り黒麻婆豆腐用 辛口』四川山椒と、豆板醤、豆鼓醤、甜麺醤を効かせた、辛さとしびれがあとを引くおいしさ。そして、キッコーマン食品の『うちのごはん おそうざいの素 千切りキャベツのもちもち焼き』は、千切りキャベツがあればフライパン1つで、ピリ辛味の“チヂミ風”が作れる。カット野菜を使えば、包丁やまな板も不要。
※女性セブン2018年12月20日号