2018年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』(是枝裕和監督)で老いと死を演じた女優の樹木希林さんが、大ヒットを見届けたかのようなタイミングで亡くなった。享年75。
1961年に文学座に入団後、1971年にフリーに。1974年に出演した『寺内貫太郎一家』(TBS)でおばあちゃん役を演じて人気を集めた。
気取らないユーモラスなキャラクターで親しまれ、活動の中心をテレビから映画に移した2000年代以降も多くの作品に出演。2018年の『万引き家族』ではカンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」を受賞、演技力が世界で評価された。
2013年に「全身がん宣言」をした後も精力的に俳優活動を続けた。1973年に再婚したミュージシャン・内田裕也(79)とは、長く別居を続ける夫婦関係が知られた。9月15日死去。
娘婿の本木雅弘とともにアイドルグループ、シブがき隊メンバーだったタレントの布川敏和が、かつて樹木さんと共演した思い出を語った。
「20年ほど前、ドラマ『味いちもんめ』で共演させていただきました。希林さんは、何も喋らなくても“その場”を持っていく人で、存在感が半端なかったです。衣装もテレビ局が用意したものではなく、すべて自前で通していらっしゃいました。希林さんの娘・也哉子さんが本木雅弘君と結婚したので、葬儀では本木君と薬丸裕英君、僕の3人が同じ空間にいた。希林さんが引き合わせてくれたのかなと思います」
※週刊ポスト2018年12月21日号