国内

象牙所持には登録が必要 違法譲渡で5年以下の懲役も

象牙の全長は、牙の内側部分を直線で結んだ距離をメジャーなどで測る

 1970年代から1980年代にかけて、日本では象牙ブームが起こり、大量の象牙が輸入された。しかし、現在はワシントン条約で象牙の国際的な商業取引は禁止されている。また、ワシントン条約を保管する観点から作られた「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」では、日本国内での象牙の取引も禁止している。

 ただ、種の保存法で象牙規制が適用される前の、1980年11月4日以前に入手した「アジアゾウ」の牙や、1990年1月18日以前に入手した「アフリカゾウ」の牙の場合は、所有しているだけなら処罰の対象にはならない。そこで、現在日本では過去に合法的に入手した象牙の把握や管理の強化を進めている。登録をすれば、国内での譲渡も可能になるという。

 では、具体的にどのような手続きで登録を行えばよいのだろうか。種の保存法に基づき象牙等の登録事務を行っている「自然環境研究センター」に聞いた手順は以下のとおり。

■象牙登録申請の手順
・申請前の確認
【1】象牙が本物かどうか
【2】合法な入手時期に所得したかどうか
【3】象牙の形状

・申請前の問い合わせ
【4】自然環境研究センターに電話する

・必要書類の準備
【5】登録申請書
【6】所得経緯の自己申告書
【7】所得経緯の裏付けとなる書類
【8】申請する象牙の写真
【9】本人確認ができる書類の写し
【10】手数料 1本につき5000円

・登録票の発行
 郵送されてくるので、象牙とセットで保管を。登録票記載の登録記号番号が重要なので、番号をメモしたり、登録票のコピーなども忘れずに。

「必ず行ってほしいのが、申請者自身による真贋の確認です。偽物の象牙を登録した場合、処罰されることがあるので注意が必要です。象牙専門店や印章店、博物館などの専門家と相談して、鑑定を受けるといいですが、鑑定書は必要ありません。このとき、登録のない象牙を鑑定するために『預かる』と言われて応じると、預けただけでも罰則の対象になることがあります」(自然環境研究センター担当者・以下同)

 次に、登録が必要な「全形を保持している象牙」かどうかを確認。さらに、合法的に取得したことを証明するために、入手当時の領収書や販売証明書、通関書類を探し出さなくてはならない。

 しかし、数十年前に入手した象牙の領収書は破棄してしまい、証明できる書類が何もないというケースも多い。

「いつ、誰が、誰から取得したのか、それらを明らかにすることが大切です。“いつ”を明らかにする書類の代わりに、自分が子供の頃からあったと示そうと、昔の写真を提出されるかたもいらっしゃいます。たとえ日付入りの写真であっても、本当にその日に撮影したものであると、証明するのは難しいもの。参考にはなりますが、充分ではありません。しかし、書類がないからとあきらめず、書類提出前に、電話にてご相談ください」

 その後は申請書の手引きに従って、できるだけ詳しく記していくことだ。手引きは書類とともに入手できる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン