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格安ネット葬儀社 偽僧侶登場の悪徳なケースも

格安ネット葬儀業者乱立でニセ僧侶が登場(イラスト/大窪史乃)

 最近は菩提寺との関係が薄まりつつあるところに「ネット葬儀社」が台頭。葬儀の要ともいえる僧侶の手配も、ネット葬儀社に依頼するケースが増えているという。

 たとえば、2016年にサービスを開始した僧侶派遣サービス「お坊さん便」は、手配サービスの他にも、16万円で通夜や告別式、読経に戒名料などすべて込みで格安の家族葬サービスを提供し、「明朗会計の格安葬儀」として話題になった。

 同社の成功で、現在ネットの葬儀業者が乱立し、競争が激化している。檀家が減って都会の寺院も経営難に陥っており、そうしたネットの「僧侶派遣サービス」にこっそり登録する僧侶も多いという。

 そして、そうした業者からやってきた僧侶の中には、“資格がないニセ僧侶”が紛れ込んでいることも…。葬儀コンサルタントの吉川美津子さんが話す。

「お盆やお彼岸のシーズンになるとネット葬儀業者は大盛況で、僧侶の数が足りなくなることもしばしば。普通の会社員が袈裟を着て“僧侶”と偽り、たどたどしい読経をしておいて、お布施はしっかり受け取って帰る悪質な業者もあります。

 また、『すべての宗派のお経が読める』と豪語する自称僧侶の素人もいます。僧侶の資格は国家資格ではなく各宗教宗門の私的な資格であり、読経しても違法ではありません。ただ、資格がないのに『浄土真宗の僧侶です』と名乗ると詐欺になるため、そういう人たちは『浄土真宗系の僧侶です』と濁すようです」

 家族葬や直葬を行う際に、気をつけたいのはどのようなケースだろう。日本エンディングサポート協会理事長の佐々木悦子さんはこう語る。

「菩提寺に何も言わないまま葬儀・戒名をつけた場合、後日、墓への納骨を依頼する際に、トラブルに発展することもあります。お寺としては、『戒名は菩提寺であるウチの寺でつけるのが筋』という思いがあります。お布施が減ることも死活問題なので、彼らとしては黙っていられないのでしょう」

 中には『葬儀をやり直し、戒名もつけ直さないと納骨させない』と主張するお寺もあるという。家族葬や直葬を選択する際は納骨のことまで考え、菩提寺には相談しておいた方がいいだろう。

※女性セブン2019年1月1日号

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