認知症外来で実際に行われているケアがスマホのアプリで体験できる。高齢者にも使いやすく、どこでも気軽に歌えるのがポイントだ。
国立病院機構京都医療センター脳神経内科の外来で、認知症ケアとして実施されている音楽療法に基づいたアプリ『認知症外来の音楽療法』が、2018年にスタートした。
懐かしい曲を、画面を見ながら歌えるサービスで、高齢者が聴きなれた音色のメロディーや、音程・テンポを調節できる機能を搭載。手本の歌が流れるガイドボーカル機能、歌詞の先読み機能、連続再生機能など、高齢者が使いやすく工夫されている。
監修した同センター脳神経内科医長の中村道三さんによると、「2009年から認知症患者に音楽療法を実施しており、BPSD(行動・心理症状)に効果があり、生活の質も向上することを報告してきました。認知症予防にも役立つ可能性も期待されています」
童謡、唱歌、歌曲、歌謡曲、民謡、フォークソング、シャンソン、カントリーソング、宗教歌などのジャンルが用意されている。また曲の途中、短いサイクルで次の曲に切り替わり、次々にたくさんの曲が歌えるのが特徴だ。これはフラッシュソングセラピーといい、独自プログラムにより、その人の嗜好に合った曲リストが作成され、記憶の中の懐かしい楽曲をランダムに、カードをめくるように提供される。次の曲へのワクワク感や知っている曲が歌える喜びなどで、脳や体に刺激が得られるという。
アプリのダウンロードは無料。有料会員になると医師のカルテ機能や収録されたすべての楽曲が楽しめる。iPhone、iPad(iOS10.0以降)の端末で利用できる。
※女性セブン2019年1月1日号