「AI(人工知能)医療診断」は驚異の進化を続けている。「問診」は医師と患者という人間同士の“対話”で、AIとは縁遠い印象があるが、それもまた違っている。すでに「人間ドック」の一部にAI問診を取り入れている病院がある。
東京・大田区にあるAI和合クリニック。記者は専用のスマホアプリで予約してあるので、受付用タッチパネルで患者番号を入力すれば受付完了である。
待合室でタブレット端末を渡され、氏名、年齢、身長、体重を入力。画面に次々に現われる質問項目に、該当する選択肢を指でタッチして答えていく。
「主な症状は?」という質問の時、この診断を体験した記者は1年ほど前から左上腕にしびれを感じているので、「腕のしびれ」をチェック。すると「より詳しく聞かせてください」という画面が出てきたので、選択肢から「やや耐えがたい」を選んだ。
「どのくらい前から?」「症状が出る時間は?」「しびれもしくは違和感の現われ方について一番近いものを以下から選んで下さい」と、質問はしだいに詳細になる。
その後アレルギーの有無や過去の病気に関する質問に移り、4~5分程度で“問診”は終了した。
次は歯科検査で、歯のレントゲンを撮り、噛み合わせや歯周病など口内チェックを行なう。終了後に診察室に移り、担当医からAI問診の結果を聞く流れだ。
「AIによれば、しびれは神経の通り道が狭くなることで出てくる症状で、その少し上にある胸郭の動脈の通り道が狭くなっている可能性が考えられます。疑わしい病名としては胸郭出口症候群。頸椎症の可能性もあるという結果ですね」