たくさんの映画がヒットした平成の時代。1997年の『タイタニック』までは洋画人気が根強かったが、以降は邦画が逆転した。テレビ解説者でコラムニストの木村隆志さんが説明する。
「それまでつまらないといわれてきた日本映画に、制作力・資金力・PR力のあるテレビ局が本格参入。ドラマ作品をスケールアップした形で映画化した。さらに企業などを多角的に巻き込んだ“製作委員会”も一般化。リスクの分散に成功したことで、『踊る大捜査線』以降は邦画が勝ち組となった」
さらに、トレンドウォッチャーのくどうみやこさんは、こう話す。
「『アバター』をきっかけに3D映像が定着。以降は映像や音響にこだわり、“この映画はこのシアターで、3Dで見る”など、映像まで選択するようになりました」
そこで平成の国内映画興行収入ランキングベスト10を紹介する。
【国内映画興行収入ベスト10】
第1位 『千と千尋の神隠し』2001年 308億円
第2位 『タイタニック』1997年 262億円
第3位 『アナと雪の女王』2014年 255億円
第4位 『君の名は。』2016年 250.3億円
第5位 『ハリー・ポッターと賢者の石』2001年 203億円
第6位 『ハウルの動く城』2004年 196億円
第7位 『もののけ姫』1997年 193億円
第8位 『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』2003年 173.5億円
第9位 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』2002年 173億円
第10位 『アバター』2009年 156億円
『千と千尋の神隠し』は制作・スタジオジブリ、監督・宮崎駿の長編アニメ。平成のみならず、日本歴代興行収入第1位。10才の千尋が神々の世界へ迷い込む物語。夏木マリ、菅原文太、神木隆之介などが声優を務めた。
『タイタニック』は1912年に起きた豪華客船タイタニック号沈没事故が題材。主演はレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット。船の先端での2人のシーンをマネする人が続出。主題歌はセリーヌ・ディオンが歌い大ヒット。
※女性セブン2019年1月3・10日号