女性は閉経により女性ホルモンが激減することで、いわゆる更年期障害に悩まされる。そして、男性もまた加齢によって男性ホルモンが減少することもあるという。男性更年期など男性に特化した日本初の「メンズヘルス外来」を立ち上げ、日本の泌尿器科を牽引する、順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授である堀江重郎さん解説する。
「女性の場合は月経の開始、閉経とも遺伝子に書かれている。つまり女性ホルモンが減少することは決まっていて、その後に人生が続くことも遺伝子の設計図通りなのです。
一方、男性ホルモンも加齢で減少する傾向があり、不調が現れることもありますが、女性とは違い、どうもこれは遺伝子には書かれていないらしい。減る人と減らない人、元来、少なめの人もいます。
つまり、男性ホルモンが減り、不調になったり家族の厄介者になったりすることは、設計図にないことなのです」
ちなみに女性ホルモンは、自分の周囲をケアするように働くが、閉経により減少すると、もともと持っていた男性ホルモンが優位になり、外へと目が向く。閉経後の女性はどんどん外出し、社交的に振る舞う。これが堀江さんの言う“女性の設計図”だ。たしかに、高齢者施設などでも、女性の集まりは実ににぎやか。
「かつて平均寿命50年といわれた頃は活躍中に人生が終わる人も多かったのですが、今や人生100年時代。仕事をしなくなった男性がどう生きていくかは切実な問題です」
まずはお父さんの居場所を大切にしてあげること。そしてこの長寿時代を元気に生き抜くために、男性ホルモンを維持することが大切だという。
※女性セブン2019年1月3・10日号