大晦日にさいたまスーパーアリーナで開かれるRIZIN.14。その対戦カードの中に、やはりあの「大型新人レスラー」の名前はない。東京・両国の自宅マンションの郵便受けは、山のようになって溢れていた──。2018年1月に長野県内で無免許運転の追突事故を起こし、道路交通法違反で書類送検された元幕内力士・大砂嵐(26)の自宅である。
大砂嵐の無免許運転が発覚したのは2018年の初場所中のこと。相撲協会は現役力士による自動車やバイクの運転を禁じているうえ、警察には「妻が運転していた」と虚偽の供述をしていたことがわかり、春場所前の理事会で引退勧告の処分が決まった。大砂嵐は処分を受け入れ、土俵を去った。
引退後は総合格闘技に転身し、9月30日にさいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN.13でデビュー。デビュー戦はボブ・サップに判定負けしたものの、榊原信行・実行委員長は「まだチャンスはある。またサップに挑戦してほしい」と期待を寄せ、大晦日のRIZIN.14で“再戦”があり得るとみられていた。
しかし、10月末に今度は無免許のままスピード違反をしていたことが発覚する。
「9月末のデビュー戦敗北後、大砂嵐は師匠のジョシュ・バーネットのもとでゼロから鍛え直すということで、米・シアトルの道場に送り込まれていたが、デビュー戦をテレビで見ていた静岡県警の捜査員が、管内の道路を猛スピードで走っていた車の運転席に座っていた男と大砂嵐がよく似ていることに気付き、思わぬかたちで“2度目の無免許運転”が明るみに出た」(RIZIN関係者)
その結果、“再就職先”の総合格闘技も契約解除となったのだ。大砂嵐の大相撲時代のタニマチの一人はこういう。
「RIZINから契約解除となった後もシアトルに残ったままで、母国・エジプトにも戻っていないそうです。日本に戻ってくれば身柄を拘束される恐れもあるから、来るに来られない状況でしょう。まぁ、デビュー戦のファイトマネーが推定2000万円といわれていますから、しばらくは生活も大丈夫なのでは」
まるで“国外逃亡”の状況である。実際、大砂嵐の自宅マンションのインターホンは電源が切られており、道路側から見える部屋は暗いまま。同じマンションの住人は「最近は姿を全く見ていない」と話した。