平成最後の年末、テレビ各局もかなり力を入れているようだ。その番組をチェックしてみると、ある特徴が見えてきた。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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2018年最後の3日間となる29~31日は、土曜、日曜、大みそかで、「例年より3連休になる人が多い」と言われています。
そんな暦のめぐり合わせを受けて各局は、“正月三が日”と同レベルの力が入った特番を制作。言わば、テレビ業界にとって2018年の29~31日は、“年末三が日”と言えるものほどのチャンスなのです。
さまざまな特番がある中、注目は“番組、人、物の復活”をフィーチャーしたものが多いこと。
29日には、1998~1999年に放送されていた『8時だJ』(テレビ朝日系)が20年ぶりに復活。年内で芸能界引退する滝沢秀明さんのほか、嵐、関ジャニ∞、生田斗真さん、山下智久さん、風間俊介さんらが集結し、「最初で最後の大同窓会」が開かれます。
さらに、『明石家さんまのご長寿グランプリ2018』(TBS系)も放送。同番組は『さんまのスーパーからくりTV』(TBS系)内で2002年まで放送された人気コーナー「ご長寿早押しクイズ」を復活させたものです。
◆DA PUMP、サブちゃん、井岡一翔…
続く30日の注目は、『第60回輝く!日本レコード大賞』(TBS系)。なかでも注目は、2004年以来14年ぶりに優秀作品賞に選ばれたDA PUMP。『U.S.A』が大賞を獲得したら、年の瀬にふさわしい特大級の復活ストーリーとなるでしょう。
また、『ニッポンの技で世界を修理 世界!職人ワゴン』(テレビ東京系)は、「世界中の故障や破損した物を日本の職人が復活させる」という特番。『プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達』(TBS系)は「再びプロ野球選手に復活できるか」を追うスポーツドキュメンタリーです。
今年最後の31日には、『第69回紅白歌合戦』(NHK)に北島三郎さんが5年ぶり出演。『まつり』を歌い、「ひさびさに紅白らしい紅白が復活した」と話題になりそうです。
民放では『平成最後の大晦日スペシャル!SASUKE2018&ボクシング井岡一翔世界タイトルマッチ』(TBS系)を放送。昨年大みそかに引退表明した井岡さんが復帰後初の世界戦に挑み、日本人初の4階級制覇を目指します。
年をまたいで放送される『CDTVスペシャル!年越しプレミアムライブ2018→2019』(TBS系)では、中居正広さんのMCが6年ぶりに復活。SMAP解散後、「大みそかの歌番組で中居くんを見られなくなった」と嘆いていたファンを喜ばせるでしょう。
◆「一年の終わり」「平成最後」の視聴者心理