魚のお造りやシメのそばなどに欠かせないワサビを多めに口にすると目や鼻にツーンと刺激が走り、涙が出る。逆にそうした反応がない場合は、何らかの目の不調が考えられるという。吉祥寺森岡眼科院長の森岡清史医師が指摘する。
「ワサビやカラシなどの刺激物を口にしても涙が出ないと、慢性的なドライアイの可能性があります」
加えて、口や喉など他の部位も渇きやすくなったら、より重大な疾患が疑われる。
「唾液が出にくい、咳が出やすいなどが重なれば、膠原病の一つであるシェーグレン症候群が疑われます」(森岡医師)
シェーグレン症候群は、体内の免疫システムが誤って自分の涙腺や唾液腺を攻撃してしまうことで発症する難病だ。潜在的な患者を含めると国内に10万~30万人いるとされる。
「涙腺が慢性的に炎症を起こし、涙の分泌が低下します。普段から目が乾いたり、ゴロゴロするなどの症状があります」(森岡医師)
重度になると、目の乾燥を防ぐための専用のゴーグルが手放せなくなる。
※週刊ポスト2019年1月1・4日号