大晦日の『RIZIN.14』の目玉、キックボクシングの“神童”那須川天心(20)と、ボクシング5階級王者フロイド・メイウェザー(41)のさいたまスーパーアリーナでの一戦。最初の発表会見後にメイウェザーが“試合拒否”を言い出すなどの騒動も巻き起こしたが、2019年に向け、すでに「次」を見据えているのだという。中継するフジテレビ関係者はこういう。
「本当に試合が行なわれるのかを巡るドタバタがいろいろとありましたが、問題は15億円以上ともいわれたギャラよりも、“どこまでガチなのか”という点だったようです。『単なるエキシビション』であることを明確に位置づけることにこだわっていたとされています」
結果として試合はボクシングルールの3分3ラウンドの計9分、ジャッジはなしのエキシビションマッチというかたちに決まった。メイウェザー側にとって、リスクの少ないルール設定にすることが必要だったというのだ。
「というのも、メイウェザーはいま水面下で元世界6階級王者マニー・パッキャオ(40)との再戦プランを進めているとされるのです。2019年中に実現することができれば、おそらく前回と同じく300億円近いファイトマネーが動くでしょう。他にも、UFCチャンピオンとの試合があるという情報も囁かれており、本当にそうしたビッグマッチが控えているのであれば、日本のよく分からない選手との試合で、万に一つも自分の商品価値に傷をつけたくないというのが本音でしょう」(同前)
米国では名の知られていない日本のキックボクサーに打たれて、「メイウェザー劣化」などと米国のメディアに書かれたら、パッキャオとのビッグマッチの価値が下がってしまうわけである。「メイウェザーもパッキャオももう40代ですから“ロートル対決”とみられたら、試合の価値はがた落ち」(同前)という事情もあるようなのだ。
※週刊ポスト2019年1月1・4日号