今年限りでタレント活動を引退し、来年からはプロデュース業に専念する滝沢秀明が12月28日、『中居正広のキンスマスペシャル』(TBS系)に出演。幼少期から現在に至るまでを赤裸々に語り、番組では司会の中居正広の発言も大きな話題となった。
著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)のなかで、SMAPや中居正広についても触れながら、芸能界やアイドル界の変動をテレビや社会の移り変わりとともに構造的に綴っている芸能研究家の岡野誠氏が『キンスマSP』を振り返る。
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「いやでも、ファンの子、大事です」
番組後半、大竹しのぶが引退する滝沢本人の人生を思い、「ファンのために生きるわけじゃないですからね。自分のために」と言うと、中居は台本と思われる紙をめくる手を止め、咄嗟にこう遮った。
普段、『金スマ』で人の話を止めることのない中居から反射的に出た発言、そして映し出された表情は、ファンへの愛情を存分に感じさせるものだった。
この言葉を聞いて、私は“アイドルという職業だからこそ生まれる奥深さ”について考えさせられた。
芸能人には、映画やドラマ出演中心の俳優もいれば、バラエティ番組出演を主とするタレントもいる。アーティストと呼ばれる歌手もいれば、歌も俳優もバラエティもこなすアイドルもいる。これらのカテゴリーのなかで、世間はアイドルをどうも一段下に見ているように感じる。