身体の異変に気づいた時、患者が冷静な判断を下すことは難しい。医者の言いなりになってしまったり、勝手な思い込みで行動してしまったり……。後々になってそれが重大な分岐点だったことに気付いても、後悔先に立たずだ。
だからこそ知っておきたい。その時に、どちらを選ぶべきかを。
◆薬は「先発品」か「ジェネリック」か
例えば、がんなどの手術が成功して退院後、術後の痛みを抑える薬が処方された際、薬局で「ジェネリック品がありますが、どうしますか」と訊ねられる。
ジェネリック(後発医薬品)は、先発医薬品と同じ有効成分を同じ量含む医薬品で、効能や効果は先発医薬品と基本的に変わらない。特許が切れた先発医薬品と比べて、価格が2割~7割ほど安くなる魅力もある。
だが秋津医院院長の秋津壽男医師は、「ジェネリックではなく先発医薬品を選ぶべき」と指摘する。
「先発医薬品と成分は同じでも、コーティング剤や効果を均一にするための安定剤などの添加物は、個々のジェネリックにより異なります。
例えば錠剤の形やカプセルの成分が変わると、薬の溶け出す速度などが変化し、薬の効きすぎや効きにくさが生じることがあるため、先発医薬品を選んだほうが無難です」