身体の異変に気づいた時、素人が冷静な判断を下すことは難しい。人間ドックなどの検診でいち早く病気が発見できればそれに越したことはないが、検査を受けるペースはどのくらいが理想なのかも分からない。
医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はこう指摘する。
「たとえば、がんが2倍の大きさになるまでにかかる時間は数百日ほど。早期だとこれより遅くなります。1年に1度、検診を受けておけばいいでしょう」
◆がん検査は「人間ドック」か「自治体の検診」か
では、がんの検査はどこで受ければいいのか。各病院が行なっている「人間ドック」なら精密に調べられるが、1回あたり3万~8万円と家計への負担が大きい。
前出・室井氏は「各自治体が行なうがん検診で、人間ドックと遜色ない検査が格安で受けられる」という。
「最近は、人間ドックに組み込まれるようなCT検査を、自治体を通じて格安で受けられるケースが増えてきています」(室井氏)
例えば、一般病院では1万円ほどかかる胸部CT検査だが、神奈川県海老名市では60歳以上なら2000円、70歳以上だと無料で受けられる(年1回)。
※週刊ポスト2019年1月11日号