国際情報

カナダで反日を煽る「チャイニーズ・フリーメイソン」直撃

2012年、尖閣抗議デモを起こすカナダ華人。右でマイクを握るのがヒルバートだ

 尖閣問題への抗議に抗日戦争勝利記念集会。舞台が中国、韓国なら理解も及ぶが、太平洋を隔てた カナダなら異質さは際立つ。その背後には、「チャイニーズ・フリーメイソン」を 名乗る、本家「フリーメイソン」との思想上の関係はない、謎の秘密結社が見え隠れしていた。ルポライターの安田峰俊氏がレポートする。

 * * *
「われわれカナダ華人の歴史は200年以上に及ぶ。だが、ここにやってきた日本人はお前が初めてだ」

 初冬のカナダ西海岸、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市内中心部のチャイナタウン。1909年に建てられたビルの一室で、革命の父・孫文を祀る祭壇を背景に男が呟いた。彼の名はヒルバート・イウ(姚崇英)。グレート・バンクーバー地域の華人系コミュニティを仕切る組織「中華会館」の理事長だ。

 付近一帯は市内で最も治安が悪い。表通りまでマリファナの匂いが充満し、建物の壁はスプレーの落書きだらけだ。近年、華人の多くはこの環境を嫌って郊外に移り住んだが、中華会館は現在もなおBC州の華人の政治的中心だ。

 ヒルバートは中国広東省生まれの61歳、カナダに帰化した移民1世だ。職業は武術家で、他に鶏肉を中華料理店に卸すビジネスも手がけている。だが、彼にはもうひとつの顔がある。

「俺は秘密結社・洪門(ホンメン)バンクーバー支部の元主任委員だ。洪門は『中国領土の保全』と『中国の平和統一』の理念を宗旨とし、伝統的な忠・義・侠の精神で活動している」

◆抗日華僑の秘密結社

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン