ヒロイン不在が続いたフィギュアスケート界が、にわかに盛り上がってきた。12月の全日本選手権で、日本の新エースに躍り出た紀平梨花(16)や5連覇がかかる宮原知子(20)を抑えて優勝したのは坂本花織(18)だった。スポーツライターが言う。
「最終滑走の坂本の結果が出た瞬間、メディアの席から聞いたことのない悲鳴が洩れました。ショートプログラム5位と出遅れた紀平がフリーでトリプルアクセルを2度成功させ、宮原に勝った時点で“紀平、優勝”と予定稿を送ってしまった記者もいた。“坂本のエピ(ソード)がない!”と慌てる記者も多く、すっかり予想が外れた格好でした」
昨年、グランプリファイナルで平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(16、ロシア)を破り優勝した紀平は、“浅田真央の後継者”としてブレーク。
そこにもう一人のヒロインとして坂本が浮上した。「坂本は、昨年の平昌五輪で6位に入賞。スピードとダイナミックなジャンプが特徴です。紀平と坂本は3月の世界選手権に出場しますが、世界のライバルからはトリプルアクセルを高い確率で跳ぶ紀平の方が警戒されています」(同前)
坂本は世界の記者たちを“エピがない!”と慌てさせることができるか。
※週刊ポスト2019年1月11日号