声優雑誌で表紙や巻頭グラビアを飾るなど、ルックスでも女心を掴む、梶裕貴(33才)。2018年5月には初の著書、声優業について語った『いつかすべてが君の力になる』(河出書房新社)を発売。と同時に全国300店以上で完売となり、翌日には重版となった。この早さは、出版界では異例のこと。
しかし実は、執筆依頼があった当初、断るつもりだったという。
「いつかものを書いてみたいと思ってはいましたが、未熟な自分が声優を語るのはおこがましいという思いがありました。ですが、テーマが、“14歳の処世術”だと聞き、ぼく自身、声優を目指したのが14才の時だったこともあり、当時の経験が参考になればと思ったんです。声優と並行して執筆していたので、1年半くらいかかって大変でしたね(苦笑)」(梶・以下同)
本を読むのが好きで、時間を見つけては書店に立ち寄るという。
「好きな作家は朝井リョウさんや村上春樹さん。ほかにも文学賞を受賞した作品には、何かが秘められていると思って、必ずチェックしています」
梶裕貴の名が世界に知れたのは『進撃の巨人』主人公エレン・イェーガー役が大きい。作品は海外でも人気で、ハリウッド版実写映画化が決定している。
「『進撃の巨人』は、普段アニメに触れることがないかたにもご覧いただく機会があったようで、アニメの可能性をあらためて感じた作品。また、ぼくを広く認知していただけたという意味で、名刺代わりのような作品でもあります。劇場版が公開された時、お子さんの姿も多く、夢中になって作品の世界に入り込む姿に、アニメの力を感じました」
甘いマスクの下に、仕事への熱い姿勢を垣間見た。
■もっと知りたい!梶きゅん
──子供の頃の夢は?
「サッカー選手や漫画家。夢は次々変わっていったけど、毎回、その道まっしぐらでした」
──尊敬する声優は?
「山寺宏一さんと林原めぐみさん。初めてお会いできた時、感動しました」
【プロフィール】
9月3日生まれ。東京都出身。2004年デビュー。アニメ『進撃の巨人』『七つの大罪』など、話題のアニメ作品で主演を務める。2012年度より2年連続で声優アワード主演男優賞を受賞。
※女性セブン2019年1月17・24日号