2019年、政治の世界では何は起きるのだろうか──。
「今年は4月に統一地方選があり、5月の改元を挟んで7月に参院選があります。しかも10月には消費税の10%引き上げが控えている。12年に1度のダブル選挙にさまざまなビッグイベントが重なり、日本の政治は慌ただしい一年になりそうです」
そう語るのは政治ジャーナリストの鈴木哲夫さん。しかし、激動の一年とはならなそうだ。2018年は森友・加計問題が大炎上。3月には財務省から自殺者が出て、安倍晋三首相(64才)と昭恵夫人(56才)の責任が問われた。しかし、9月の総裁選では結局、安倍首相が圧勝。当の昭恵さんも海外では飲み歩く姿が見かけられるなど、反省の色は見られない。今年11月まで現政権が続けば、首相通算在職日数は歴代1位に躍り出る。
「今は野党が弱く、政権が緩みっぱなし。このまま安倍一強が続くと、参院選も与党が圧勝する可能性が高い」(鈴木さん)
今年は、大阪でのG20首脳会議やアフリカ開発会議といった国際会議も多いが、「そんなときこそ国政の動向に注意すべき」と鈴木さんが指摘する。
「政治家や官僚は、大きなイベントやスキャンダル、重要法案などで国会が揉めているスキを狙って、国民に負担を押しつける法律を成立させます。現在、批判を浴びている妊婦加算も、モリカケ問題に隠れて、国民にはあまり知らされませんでした。今、国会で何が議論されているか、国民はもっと目を向けるべき」
だからこそ、今年の選挙は重要だと鈴木さんが続ける。
「人生100年時代といわれますが、国会で審議されているのは男性の年金や働き方ばかり。このままでは、男性より平均寿命の長い女性の老後の暮らしはどうなってしまうのか。テレビや新聞が報じる『争点』をうのみにせず、国民一人ひとりが自分の望みに応じて争点を考えるべきです。そして何より政治に緊張感を取り戻すことが大切です」
今年の参院選もこのままいけば「また安倍政権か」となり、無力感を感じる結果になりそうだ。しかし、何もしないのではなく、よく考えた上で投票したい。
※女性セブン2019年1月17・24日号